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大家さんが直接管理する物件とは、一般的に管理会社が行う入居者の募集、入居時の契約、退去手続きや、トラブルが起きた際の対応などの業務を大家さん自身が直接行う物件のことです。

ですので家賃の回収や共有部分の管理、退去後の原状回復なども大家さんが行います。

大家さんが直接管理しているのか、管理会社が管理しているのかは、物件の見た目では分かりにくいと思います。見分け方として、管理会社が管理している物件は建物などの入り口に管理会社の看板がありますが、見当たらない物件は大家さんが直接管理している物件の可能性があります。

また、木造アパートや比較的小さな建物の物件は大家さんが直接管理していることが多いです。

どちらかわからない場合は不動産会社に尋ねてみましょう。

では大家さんが直接管理する物件のメリットやデメリットはどのようなことがあるのでしょうか？

【メリット】
・初期費用や家賃、更新料などを抑えられる
大家さんが管理会社に物件を委託する場合は手数料がかかります。ですが、直接管理をしている場合はその手数料がかかりません。そのため、初期費用や家賃などが安く設定されていることがあります。

また、更新料も一般的には家賃1ヶ月分とされていることが多いですが、大家さんが直接管理する物件の場合は大家さんの判断で決められるため、更新料も安くされていたり、更新料がない物件もあります。

・融通が利く/対応が迅速
大家さんが直接管理する物件の場合、大家さんが同じ建物に住んでいたり、近くに住んでいることも珍しくありません。ですので顔を合わせる機会も多く、仲良くなることもあります。

大家さんといい関係を築けると、もし入居中に設備が壊れた、困っていることがあるという場合に気軽に相談することができます。故障の際にも迅速に対応してくれたりと安心感があります。

【デメリット】
・契約内容に不利な条件があることがある
不動産会社や管理会社が間に入る場合は家賃や初期費用の交渉を代わりに行ってくれることができますが、直接管理の場合はこのような交渉も大家さんと借主で直接行うことになります。交渉に抵抗がない人は問題ありませんが、苦手な人には不利な条件になるリスクがあります。

また不動産のことに詳しくない大家さんが契約書を作ると、借主にとって不利な条件になっていることがありますが、このような不利な内容を説明してもらえない場合があります。

このように契約書に不備がある場合はトラブルの原因になることがあります。

・トラブルの対応が不安
管理会社や不動産会社が仲介しない場合、トラブルが起きた時の対応が適切でないことがあります。

特に近隣同士のトラブルなどでは、上手く解決できず、問題が深刻化することもあります。

・大家さんとの距離感
大家さんと仲良くなると距離が近くなることはメリットではありますが、距離が近くなりすぎてしまうと問題になることもあります。大家さんによっては、留守中に勝手に部屋に入ってきたり、馴れ馴れしくされ、生活に干渉してくることもあります。

大家さんの性格にもよりますが、あまり干渉されたくない人が、世話好きな大家さんの物件に入居した場合は、少し煩わしいと思うことがあるかもしれません。

では大家さんが直接管理する物件に入居をしようと思っている場合の注意点はどんなことでしょうか？

・契約内容を書面にする
入居中の設備の故障などの修繕費に関すること、退去時の原状回復の費用などが一番揉める内容です。

口頭での説明ではなくきちんと文面に残して契約をしましょう。家賃や更新料、保険料などもきちんと文章にしてもらいましょう。

大家さんによっては火災保険は自分自身で入らなければいけないこともあります。

・重要事項を確認する
管理会社が仲介する場合は、契約時に必ず入居予定者に一定の重要事項の説明をしなければいけません。

重要事項説明を行う際には、重要事項説明書を用いますが、重要事項説明書はいわゆるこの物件の取扱説明書のようなものになります。重要事項説明書に記載されている室内設備は故障した場合、大家さんの負担で修繕してもらうことができますが、記載がないものは自己負担になる可能性もあります。

しかし大家さんが直接管理する物件にはこのような義務がありませんので、個人的に重要事項を確認しておく方が良いでしょう。

・大家さんとの距離を考える
人付き合いが好きで、日々の生活に多少干渉されても気にならない方は直接管理の物件でも良いかもしれませんが、もしそのようなことが苦手な方は管理会社が仲介してくれる物件にする方が良いかもしれません。